ゆとり世代のプロサッカー選手。丸山龍也のオフィシャルブログ。現在は欧州リトアニアでプレー中。

2014年11月7日

成長しないスリランカと下品な東南アジア、どっちが好きなんだろうね?って話

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旅の指さし会話帳という本がありまして、世界中どこでも1冊持ってくだけで大変重宝するそれはそれは良い本なのですが、もちろんスリランカにも持ってきています。

現地語とその日本語訳、そしてカタカナでの読み方などが書いてあって、指さし会話帳が1冊あればこちらからのコミュニケーションも、向こうからの被コミュニケーションも十分行える優れものです。

 

その指さし会話帳の後ろの方には、大体その国の文化や生活などについての小コラムが掲載されてるのですが、その中に色々と考えさせる一文がありました。今日はその文を読んで感じたことを長々と書きますので、サッカーの話は出てきません。

 

 

 

 

 

 

ーーーー引用ーーーー

スリランカで生活していて一番印象に残ったのは、クリケットの試合を見ている時。

かつてイギリスの植民地であった英連邦の国々の代表チームが世界一を目指して戦い、それを老若男女ほとんどすべてがラジオやテレビを通じて熱く応援しています。

バングラデシュ・パキスタンというと、私たちにはあまり具体的なイメージがありません。たまに天災・紛争がらみでそういった国名を聞く程度の南アジア人の人たちが、オーストラリアやカナダ、南アフリカといった国々とクリケットというひとつのスポーツで結ばれている。そういうとき、私たちの生活がとてもAmericanize(アメリカ化)されているのを逆に実感します。

ーーーーーーーーーー

 

こんな文です。クリケットという競技を通じて、馴染みのない国同士が切磋琢磨している様子は、アメリカ化された国では見られない。そういうことですね。

それで、著者の方が「スリランカがアメリカ化されていない」としたのとは若干ズレるかもしれませんが、これに似た感覚をスリランカで覚えてました。この文を読んで、その感覚がどういうことか具体化されまいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカとは歴史が浅い国ですが、広大な資源とマンパワーで成り上がってきた、いわば資本主義の国の王様のようなところです。「アメリカンドリーム」という表現があるように、ある意味では頑張れば報われる結果至上主義の国でもあります。

 

というわけで、頑張って伸びる所はぐんぐん伸びる一方、チャンスを掴めない人間は這い上がれないまま。凄まじい富を持つ人間がいる一方で、健康保険すら満足に加入できず大きな病気になっても医者に掛かれないなど、国民の大きな格差が社会問題となってる国。

ですが、資本主義という考え方はそれを良しとする風潮がありまして、触発されてアメリカ化を目指すような国は、軒並み大きく成長していく一方でどんどん格差が広がっている・・・。これが世界のスタンダードな現状であり、各国で問題視されている部分です。

 

 

 

 

 

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中国や東南アジアの発展が著しい今日ですが、それぞれの国も大きな資本を使ってグングン国を大きくしてる真っ最中であります。(中国共産党は、共産主義に辿り着く過程として現在は資本主義でと割りきっているようです)

タイやミャンマー、ベトナム(この国も一応共産主義を目指す社会主義国ですが実質やってることは資本主義)などの都市を歩けば、大都会東京にも負けないビル群が街を覆っていて、人の流れや金の流れ、物の流れをそれとなく眺めているだけで、素人目で見ても「発展している」というパワーを感じることができます。

 

 

 

 

 

 

 

これはある意味では下品。下品って言葉を使うこと自体が下品かもしれないけど、どう考えても上品ではないので下品。

 

 

 

 

 

権力を誇示するような大きなビル、富をアピールしたいがための家、高いブランド物を身にまとってショッピングする人々・・・世界有数の歓楽街や風俗街があるのも大概このへんの国々です。

 

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成長しているが故に、金さえ払えば先進国並みのハイクオリティのサービスを受けられる一方、成長途中なのでペイする金額は非常に少なくて済む・・・このギャップに一足お先に資本主義で成長した国の人々は魅了されていくんです。

 

 

なので、だからこそ世界中から人が流れてくる。(だらしねえ奴が)

 

 

 

ホーチミンもバンコクも、夜の街で遊んでいるのは殆ど外国人じゃないかってぐらいヨーロッパ人や東アジア人が多い。その影で地元の人間は少ない給料、過酷な労働環境で働いている・・・僕はヨーロッパやアフリカなどに行ったことがないので比較することはできないのですが、この状況はハッキリ言って異常だと思う。

 

 

 

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 バンコクを歩けば乞食が何百人も屯しています。障害を持っている人やお年寄りならともかく、子供が小銭の入ったコップを抱えて金や物をせびります。それを横目で見ながら、大きなショッピングセンターや風俗街に入っていき、少しの移動もタクシーですることが日常の外国人。

 

 

 

 

ホーチミンやバンコクに行った当初はすごくすごく戸惑いました。日本だとお金も頼りどころもないどうしようもない人達だって、ちゃんとダメならダメなりにセーフティーネットへ引っかかり、所謂“最低限文化的な生活”って奴を送れる。

ホームレスだって炊き出しとか配給とか上手いこと利用するから、日中はコソコソとひと目のつかない所で静かに休んで飯食ってちょっと仕事して・・・とりあえず死ぬ心配もないし、物乞いする必要もない訳です。

 

 

 

 

でもバンコクでは赤ちゃん抱えた幼稚園児ぐらいの子の前にコップが置いてあって、物欲しそうな目でこっちを見てくる。

捨て犬や捨て猫の比じゃないぐらいの眼差しで見てくる。長く住んでいたトンローという外国人が住む高級住宅街でも、俺だったらポケモンしかしてなかったような歳の子が汚いアメを売りに来たりするわけです。

 

 

 

こっちもカツカツでテストに行ってるから、たまにお金を恵んでやる以上にその子たちに何かしてあげる余裕はない。残念だけど。

でも、もともとそういうことには感受性が強く働くタイプなので、最初は見てるだけで苦しかった。

 

 

 

 

とか言いながらも人間って恐ろしいもので、長く住んでるとそういう状況に慣れるんです。大人や障害のある乞食にはもう見向きもしなくなるし、子供は子供でもなんかかわいくないなって奴には目も合わせない。色々と上手くいかないこととかでストレスとかも溜まってくると「うぜーな、こっちは急いでんだよ」みたいなことを思ってしまうこともありました。

 

そして「うぜーな」と思いながら、外国人ばかりのショッピングセンターで買い物をして、貧乏なタイ人じゃ一生入れない店で夜飯食って、調子よかったらそのまま風俗街を抜けてクラブに遊びに行ったりしてたわけです。クソだな俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

「タイは魅力的な国だよ」これは訪れたことがある殆どの人が言うことかもしれません。俺も未だにあの国には魅了されている。何度でも行きたい。ベトナムも一緒。ベトナムドンの数がわけわからんくなってぼったくられるのすら楽しい。頭スパークする。

 

 

 

 

だけどその魅力を感じられるってのは、そんなストリートチルドレンが最下層に位置するカーストで「上位数%」に位置するものだけが得られる超特権。

 

 

 

自分の国で豪遊できない奴が世界中から挙って集まり、物価が安いことをいいことにやりたい放題してることで金が回ってる街で、円高やドル高のトリックで大した仕事もしてない奴が、何も成し遂げてないのに偉そうに幅利かせてる。

バンコクやホーチミンの魅力はそういう下品な魅力なわけです。それに味しめちゃう。俺もしめちゃった。(もちろん世界遺産とか人が優しいとかそういうのもあるけど)

 

 

 

 

 

でもそれは必ずしも悪いことじゃない。

ビルがどんどん建って、歓楽街が発展して、外国人が遊ぶことで外貨を稼いで、色んなものを外から誘致してお金を回して、そうやってタイって国は成長してるわけです。現に数年前よりバーツの価値は上がってきてるみたいだし、電車やタクシーの初乗り料金も少しずつ上昇してる。伸びてるんだあそこは。

 

タイって国が国際社会で発言権を持ち、イニシアティブを握って躍進していくための過程が今だということです。

 

資本主義の先進国のすべての国がそういう道を通ってきたはずで、ある意味タイは我慢の時期なのかもしれない。グングン成長してるが故の今であって、これを乗り越えれば乞食のガキンチョも次第に減ってくるはずだから。

だからもう少し頑張れば、きっと子供に優しい良い国になるはず。はず。

 

 

 

 

 

 

 

話は俺の現在地に戻りまして、スリランカって国にはそういう成長欲とか向上心みたいなのがあんまりないように感じるんです。てか多分ない。

島国だから成長することを諦めてるのかなんなのか一切わからないけど、ホーチミンやバンコク、またその他東南アジアで感じることができるような「凄まじいパワー」をほとんど感じない。

 

 

 

野心あるやつもいるにはいるんだろうし、ビルとかショッピングセンターもそれなりにあるし、カジノとか外国人向けのクラブとかそんなのもあるんだけど、なんというかボチボチのサイズ感のボチボチのものでして、タイとかベトナムみたいなあからさまな権力の誇示とか、露骨過ぎる富の力とか、そういう「下品」さはない。

タイとかベトナムだと、THE成金みたいな奴にそれなりの確立で出くわしてきたけど、そんな札束臭いおっさんにもあんまり会わない。まあ俺がそういうところにあんまり行ってないのもあるかもしれないけど、それにしても少ない。

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大都市コロンボの中心の町並みは、背が低い小ざっぱりした建物で綺麗にまとめられてて、ヨーロッパの小都市のような景観が続いてる感じのゆったりとした雰囲気。

 

トゥクトゥクや車のけたたましさはさすがアジアって感じだけど、ホーチミンのバイク地獄とかタイのタクシー戦争とかに比べるとグレードダウン。

調べると一応っていうかもちろん、スリランカも資本主義化されてはいるんだけど、そういう「アメリカ風」の成長をしていこうとは思ってない国なのかもしれない。なんかアジアの中では品が良いと思うんだよね。

 

 

 

 

 

 

そして何より子供の乞食や、子供が働いてるところをほとんど見ない。これは驚いた。

 

そういう奴もいるにはいるのかもしれないし、っていうかどっかにはいるんだろうけど、今のところ発見してない。まあ、数が少ないのは間違いない。

タイやベトナムにはうじゃうじゃいるし、ミャンマー少し行った時にもいたし、ブラジルとかにも少なからずいたのに。

 

先日違うことを調べてたらふとこんなのをTwitterで見つけたんだけど、まさにそうなのかも。プライドがないと子供バンバン働かせてもおかしくないぐらい、基本的にはみんな貧しいから。

 

でもそれでいいんだってこと。「貧しくてものんびりやってこーぜ?今のまんまでいいじゃん」「もっと良くなる必要なんてないよ」そういう感覚をみんな持ってるんだと思う。

サッカーって国民性が出るスポーツだから、ちょっとこいつらと練習したらそういう考え方なのは伝わってくる。タイ人とかベトナム人の方がまだ向上心とかあるって思うよ。練習内容とかスーパー現状維持。

 

 

 

 

でもそれが必ずしも悪いことではないんだってのは、スリランカに来て気付いたかも。成長しなきゃ向上しなきゃってことだけが良しじゃないんだな、多分。

もっと言えば、自分で割り切っちゃえば俺の人生だってこのままでも良いんだ。割り切った瞬間、「幸せになれんのかな」って毎日ぼやいてる程度の幸福度はググっとアップするんだと思う。

スリランカ人のいいとこなんてなんもないけど、強いてあげるとすれば「ある物とある環境」で幸せになれる術を持ってる国民性だと思う。みんな金ないけど幸せそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、この国はそういう国なだけに俺にとって魅力はあんまりない。

 

人は優しいし、ガリガリ君みたいな激安アイスが日本円で約8円で、それをさっきまでうまうま食ってたぐらいに物価は安いから、30万円ぐらい貯金してスリランカに来れば多分1年は何もしないで生活できると思う。

タイとかベトナムとか中国とかフィリピンとか、そういう国とはまた別物で、物価が安いが故の「金持ちになったぜ気分」みたいなのはそこまで味わえないかもしれない。俺とか金持ちの部類には入ってるけど、なんかそれ相応というか。日本での生活がそのままできますよぐらい。

でもスローライフみたいなのは遅れると思う。一応、手に入らなくて困るものとかもない程度に発展してるし。

 

ってわけでこういう国が好きな人も世の中たくさんいると思うけど、残念ながら好みじゃないのだ。

 

 

 

 

何故ならアメリカ化されたアメリカ風の物に囲まれて育ってきて、アメリカナイズされた教育を受けて「向上心や野心を持つことが良し」みたいな風潮のもと、そういう成り上がり精神を胸に秘めて22歳になってるわけで、アメリカンドリーム的なものを自分で起こそうと思ってスリランカに来ている以上、こういう雰囲気に馴染みたくはない。はあ、アメリカ人か俺は。

 

 

 

 

 

だからどっちかってとベトナムとかタイの方が好きは好き。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

・・・・なんだけど!

 

 

 

 

東南アジアに魅力感じてる俺も小さいなって思う。てか思った。


 

ああいう感じで金持ち気分とか成長するパワーを味わいたいなら、ストリートチルドレンとか障害を持っている人達の上に立って遊ぶんじゃなくて、東京とかニューヨークとかパリでやれって話なんだよね。

いじめられてる人を見ないふりするのもいじめです!って学校で習ったけど、それならタイでの生活の仕方は100%いじめっこマインドだってばさ。

 

 

 

人が1m先で苦しんでることに目をつぶっといて、大した努力もしないで円を両替しただけの労力で遊んでるのって見苦しいとすら思う。タイでたくさんの日本人サッカー関係者に会ってそれぞれにすごくお世話にはなったんだけど、サッカー以外のところで出会った日本人には、おもしろいけど薄っぺらい人が多かった。

 

 

豪快にバブリーな感じで振る舞ってても

お前、日本円をバーツにエクスチェンジしただけだよ?何偉そうにしてんの?」

とか

「それ日本に帰っても同じように仕事できるの?」

とか

「パスポートが菊紋じゃなきゃお前なんてなんもできねーから!」みたいに感じてたことも多かった。てめーは新宿とかみなとみらいとかで何が出来んだよ。(一部の人だけどね。基本的にはみんないい人)

 

 

 

 

 

だから俺はあんな風にしたいなら、ちゃんと東京とかニューヨークとかロサンゼルスとかパリとかミラノとかロンドンとかマドリードで出来るような大人になりたい。

それか、ちゃんと自分の視界に入ってくる子供には責務を果たせるぐらいの懐と余裕を持ってあの辺りで生活したい。じゃなきゃ100%いじめっこマインド。見て見ぬふり、ダメ。

 

小さい子の苦しみの横で和気あいあいするのはツライよ!やっぱり。

まあ、その場にいたらいつの間にか慣れちゃうんだけどね。はあ、ダメ人間だ。

 

 

 

 

 

 

日本で出来ないから東南アジア。

東南アジアはこれから伸びるから東南アジア。

東南アジアは物価も安くて居心地がいいから東南アジア。

 

 

みたいなベクトル下げるような考え方じゃなくて、もしまたあの辺りに行くことがあるのなら、ちゃんとその後にステップアップするために、あの地には降りたい。

 

それが出来ないなら、一生スリランカにいた方がいい。いや、横浜帰った方がいい。

 

 

 

 

そんなことを思った日でした。一体何のブログを書いてるんだ俺は(笑)長かったけど、もし読んでくれた人いたならありがとう。

 

 

明日は全体練習禁止されたので、ひとりでフィジカルやったあとにアーユルヴェーダです(笑)アーユルヴェーダネタも溜まってきたから、明日辺りおもしろくまとめよう。

 

 

こんなことも書けるブログや自分にしたいっす。ね。

 

子は宝ですがな!

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